- March 28, 2006
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47. フリーペーパー『fifthJ』 <5>
僕が編集長を務めているフリーペーパー『fifthJ』、第3号の配布がはじまりつつあります。一応、オフィシャルには4月第1週の発行ですが、もう手に取ってくださっている方もいるかもしれません。
僕はここに、「Art and Science Hand in Hand(アートとサイエンス、手を取り合って)」と題する連載コラムを書いています。毎回、色々な切り口から芸術と科学の接点を探っていこうという試みです。
第3号に掲載した内容は、冊子を手に入れられる人はそっちを読んで欲しいんですが、簡単に書くと次のようなことです。
- アートでメシを食っていくのは厳しい。
- サイエンスでメシを食っていくのも厳しい。
- そうかといって、世の中を見渡してみると、アートやサイエンスが見えないというわけではない(むしろ、けっこうたくさんある)。
- しかし、それに携わっている人間(芸術家や科学者)たちは、一部の成功者を除くと、リアリティを持った存在として社会に認知されにくい。
- というわけで、がんばりましょう。
えーと、簡単にまとめすぎたかな……。
ま、もちろん、アーティストやサイエンティストの存在がきちんと認知されたとしても、それだけで彼ら全員が楽に食えるようになるというわけではありません。でも、現実問題として、世の中の役立っている研究成果のウラには、表舞台に出る可能性も見えずに日々実験を重ねている人間が星の数ほどいる。アートに触れようという人の目や耳を楽しませてくれる良作が溢れる一方で、制作費の捻出もままならずにヒイヒイ言っている人たちが山のようにいる。そして、そういう「氷山の海面下の部分」がないと、華やかなところだけではやっていけないんですよね。たぶん、どんなことでも。
と、そんな気持ちで書いたコラムなんですが、草稿の段階からスタッフの間ですごく評判が悪かった。「暗い」とか「読んでいてドキドキしない」とか「やる気が感じられない(!)」とか(ひどいよね)。まあ、言い訳じゃないですけど、確かに自分でも「書きにくいなー」と思いながらやっていました。明るい話題ではないのは本当だし、かといってスパッと解決案を示すこともできませんしね。でも、これはやりにくくても書かなきゃいけないと思ったんです。
というのは、この『fifthJ』というフリーペーパーの読者層は、現状ではほとんどアートに興味がある人たちなんですね。もちろん、僕の周囲にいる科学畑の方々でも読んでくださっている人はいるし、普段アートにもサイエンスにも触れないような人たちの手にも渡るように努力はしていますが、やはり収集できるコンテンツや配布場所の関係で、どうしてもアートな人が中心的な読者になっていると思います。
そして、どうもこういう人たちの中には、上記の「2. サイエンスでメシを食っていくのも難しい」という部分をよく知らない人が多いらしい(まあ、当然かもしれませんが)。「科学研究者っていうのは、好きなことだけやっていればみんな食べていけるんじゃないの?」という声を複数の人から聞きました(そのうちの一人は『fifthJ』のスタッフだったんですけどね……)。
これはもう、やっている人はわかると思いますが、とんでもない話なわけです。で、「アートとサイエンス、手を取り合って」と言うからには、夢を語るのも結構だけれど、ちょっとはお互いの現状にも目を向けられるといいかな、と思った。
ひたすら苦労自慢をやりあっても消耗なだけですが、自分にとって未知の分野を見るときには、泥臭い部分にも少しは目を向けると得るものが大きくなるのではないでしょうか。

もしこんな表紙を見かけたら、手にとってみてくださいね。関連記事・フリーペーパー『fifthJ』<1>
http://www.st-yuki.net/2005/07/03/2関連記事・フリーペーパー『fifthJ』<2>
http://www.st-yuki.net/2005/08/23/13/関連記事・フリーペーパー『fifthJ』<3>
http://www.st-yuki.net/2005/11/06/21/関連記事・フリーペーパー『fifthJ』<4>
http://www.st-yuki.net/2006/01/29/39/『fifthJ』オフィシャルサイト
http://fifthj.web.fc2.com/
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