January 21, 2006

38. コーヒーでも飲みましょうか

2回ほど前の記事で「好き嫌いはいけませんよ」ということを言ったので、今度はその好き嫌いの対象を絞って書いてみようと思います。食べ物、飲み物、何でもいいんですが、コーヒーの話ということにしましょう。

なぜコーヒーかというと、今朝、コーヒーを作っていて、入れようと思った砂糖をスプーンの上から半分ぐらいこぼしてしまったからです。えーと、この話題は書くたびになしくずし的に馬鹿っぽくなっていく気がするけれど、まあいいでしょう。

コーヒーの話って、色々と口喧しく言われることが多いですよね。砂糖は入れるのか入れないのか。ミルクはどうか。入れるとしたらどれぐらい入れるのか。毎回決まった量を入れなければ飲みたくないと主張する人もいれば、そんなものを入れるのはけしからん、コーヒーはブラックで飲むものだと言う人もいる。そういう会話を聞くたびに、その偏屈さ具合にちょっとあきれてしまいます。まあ、「砂糖を入れないと苦くて飲めないから」ぐらいだったら可愛げがあるけど。

それで、僕はどうなのかというと、手近なところに砂糖なりミルクなりがあれば入れてしまうし、なければ入れないで飲む。それだけです。砂糖を入れれば、甘さが加わることで風味が増すような気がして、大変美味しい。ミルクを入れれば、口当たりが幾分なめらかになるようで、非常に結構なものです。そして、何も入れなければ、コーヒーの生々しい味や香りが口中に広がり、これもまた宜しい。量にしたって、今朝のように砂糖をほんの少しだけ入れるということになっても、それはそれで微妙な味の変化が何とも言えず楽しいですね。逆に、10匙も20匙も入れようとは思わないけれど、たくさん入れたところで不味くなるわけではない。そう思います。

要は、それぞれの飲み方にそれぞれの味わいがあるということで、優劣があるわけではなし、何も自分の好みの飲み方以外を忌避するように言わなくたっていいじゃないか、と思うわけです。好き嫌いはいけませんよ。

もっとも、他人事であれば他人事で済まされるけれども、困るのは客人として招かれたときですね。コーヒーを出していただいて、「砂糖とミルクはどうしますか」と訊かれたりします。その場にないものをわざわざ出してもらうにはあたらないから、「いえ、結構です」と断って、そのままの味を楽しむことにする。すると、先方は「この人にコーヒーを出すときにはブラックに限る」と納得してしまうことがあるわけです。次からは、一緒にコーヒーを飲んでいて、その人が砂糖やミルクを使っているときでも、僕にははじめから出してくれない。これは、例えばパスタ屋に入ってカルボナーラを食べたら、次回からカルボナーラ以外のものを決して注文できなくなっているようなものじゃないかと思います。

まあ、わざわざ招かれた上でそんなつまらない文句を言うのもおかしいし、「そのお宅へ伺ったらブラックを飲む」と決めてしまえば、別に構わないと言えなくはない。しかし、そんな人と一緒に喫茶店などに入った日には、それはもう大変なことです。コーヒーを頼んで、僕が砂糖やミルクを入れていると、向こうは「おや」という顔をするのですね。片付かない気持ちになるのは、こっちの方ですよ。気の置けない相手であれば上記のような説明を長々とやってもいいけれど、そうじゃないときは、まったくいらんことに気を遣う破目になってしまう。

「味がわかる人間はこだわりを持つのが自然だ」などという窮屈な風潮はなくなってほしいですね。「そのときそのときで様々な飲み方を楽しむのが自然だ」というふうに改めてもらいたい。今度どこかの店でコーヒーを頼んで、「お砂糖とミルクはお使いになりますか」などと言う店員がいたら、「どっちでもいいです」と答えてみようかな。

インスタントコーヒーと缶コーヒーについても色々と書こうと思っていたけど、今日はもういいや。

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