- January 10, 2006
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36. 好き嫌いはいけませんよ
前の記事は、「分野の垣根を越えよう、そして国境を越えよう」という話でした。今回もその流れで、もう一つ違う垣根も越えてしまいましょう。それは、「食のborder」です。食べ物の好き嫌いの話ね。
実は、僕には嫌いな食べ物っていうのが一つもありません。だから、偏食というものが本質的には理解できない。「ああ、この人はこれが食べられないんだな」と頭で納得することはできても、それが感覚としてどんなものなのかわからないんですよね。
食品アレルギーのような、ダイレクトにケミカルな拒絶ならばわかります。というのは、僕の身体はどうもアルコールをあまり分解できないようで、お酒を受け付けてくれないから。まあ、アレルギーと下戸とでは仕組みが違いますが、身体の直接的な反応という点では似ているでしょう。そもそも、どちらの場合も対象となるもの(食べ物やお酒)を「不味い」とか「気味が悪い」などとは少しも思わないわけだし。
だから、たまに「お酒には強いけど、ビールだけは不味くて飲みたくない」なんていう人がいますが、それもよくわからない。ビールの味はビールの味で、僕は美味しいと思うんですけどね。ちゃんと好きな銘柄だってあります(その辺で普通に売っているビールの中では、クアーズの味が割と好みです)。ただ、たとえ美味しいビールであっても、せいぜいコップ半分ぐらいの量で身体が受け付けなくなる。僕は普段、滅多なことではお酒を口にしませんが、それは2、3口飲んだだけで残してしまうのはもったいと思うからでしょうね。舐めるだけでいいなら、何でも舐めたかったりします。
という具合なので、海外に行ったりしても「現地の料理が口に合わない」とか「日本の味が恋しくなる」といったことは、まったくないわけです。例えば、アメリカなんかだと「肉とポテトばかりで閉口する」などと言う人もいますが、僕は「肉ウマイ」「ポテトもウマイ」という調子でずっと食べ続けていて、それで何ともない。お米が恋しいって、一体どんな気分なんだろう。当然のことながら、和食が嫌いだというわけではないんですよ。むしろ大好き。ずっとお米を一粒も食べなくても平気だし、逆に毎日ご飯とお味噌汁でも全然いける。
もちろん、洋食と和食だけじゃありません。前回、僕のガールフレンドの話を書きましたね。彼女の国、アゼルバイジャンに行ったときにも、出てきた料理はすべて美味しくいただきました。見たことがない色と形、嗅いだことのない香りをまとった食べ物が次々と現れるのですが、それはもう、そういうものなんだからしょうがない。で、食べると美味いんだから。彼女は心配して「大丈夫?食べられる?嫌だったら残していいよ?」などと何回も言うわけですが、いいから黙って食わせてくださいって感じですね。
外国の食事といえば、この前の年末に、海外生活がそこそこ長い日本人女性に会う機会がありました。お正月を日本で過ごすために、一時帰国していたんですね。で、話を聞いていると、彼女はそうやって日本に戻るたびに、日本の食材を大量に買いこんでいくという。うーん。こうなってくると、もうほとんど壊滅的に意味不明なんですよね、僕の感覚としては。一応「そんな人もいるんだな」という程度で、わかったふりをしていますが。
しかし、こうやって書いていると、なんだか味のわからないただのアホみたいですね……。いや、ビールの話のところでちょっと書いたように、微妙な味の違いだってきちんと把握できているんですよ。すごく美味しい食べ物もあるし、それほどでもないものもある。普段は、便宜的に「不味い」という言葉を使うことだってあります。まあ、「激マズ」とか言いながら、皿をきれいに平らげたりしているわけですが。たぶん、僕が言う「激マズ」っていうのは、好き嫌いが激しい人にとっての「悪くない」ぐらいに相当するんじゃないかと想像します。
……あれ?やっぱりこれじゃあアホみたいだな。ま、そこをなんとか、わかってやってください。よろしく。
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